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大量調理施設衛生管理マニュアルに記載の喫食時間!弁当屋の問題点!

厚生労働省が出しているガイドライン「大量調理施設衛生管理マニュアル」に調理終了後から喫食まで時間が書かれていることをご存知でしょうか?

大量調理施設衛生管理マニュアルには、「調理後の食品は、調理終了後から2時間以内に喫食することが望ましい。」という一文があり、作った料理は2時間以内に食べていただくことを推奨しています。

しかし、配達専門の弁当屋(産業給食)などは、弁当を作ってから2時間以内で食べてもらうことは、実際には不可能に近い。

2時間以内に食べてもらおうと思ったら、以下のような問題があるからです。

弁当屋(産業給食)2時間以内の問題点!

✅盛付け問題!盛付けがそんなに早く出来ない!2時間は盛付けに必要。

✅配達問題!配達がそんなに早くは出来ない!最低3時間は必要。

✅そもそも、弁当が届いたからと言ってお客様がすぐに食べるとは限らない。

要するに、配達専門の弁当屋(産業給食)は大量調理施設衛生管理マニュアルが掲げるビジネスモデルとだいぶかけ離れた状態にあるってことです。

ビジネスモデル自体がもう産業給食は、ダメだよって言われている状態と言えます。

しかしながら、産業給食のお弁当を待っている多くのお客様がいることもまた事実!

どちらが正しいって言い難い現状があるわけです。

今回の記事では、「喫食時間」を中心に役立つ情報をお届けしていきます。

この記事で分かる事

・温度管理と喫食時間の関係性

・弁当屋と喫食時間について

・調理終了時間を記録する大切さ

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 大量調理の温度管理と喫食時間

温度管理と喫食時間には、とても密接な関係性があります。

理由は、食中毒菌の増殖には、「温度」と「時間」が必要だからです。

調理後は、菌数は0ですが、時間が経つにつれて増えていきますし、食品の温度が20度~50度の間だと、食中毒菌の増殖は危険なレベルだと言えます。

ですので、大量調理施設衛生管理マニュアルには、次のように書いています。抜粋して紹介します。

4.原材料及び調理済み食品の温度管理
(1) 原材料は、別添1に従い、戸棚、冷凍又は冷蔵設備に適切な温度で保存すること。また、原材料搬入時の時刻、室温及び冷凍又は冷蔵設備内温度を記録すること。
(2) 冷凍又は冷蔵設備から出した原材料は、速やかに下処理、調理を行うこと。非加熱で供される食品については、下処理後速やかに調理に移行すること。
(3) 調理後直ちに提供される食品以外の食品は、食中毒菌の増殖を抑制するために、10℃以下又は65℃以上で管理することが必要である。(別添3参照)
① 加熱調理後、食品を冷却する場合には、食中毒菌の発育至適温度帯(約20℃~50℃)の時間を可能な限り短くするため、冷却機を用いたり、清潔な場所で衛生的な容器に小分けするなどして、30分以内に中心温度を20℃付近(又は60分以内に中心温度を10℃付近)まで下げるよう工夫すること。
この場合、冷却開始時刻、冷却終了時刻を記録すること。
② 調理が終了した食品は速やかに提供できるよう工夫すること。調理終了後30分以内に提供できるものについては、調理終了時刻を記録すること。また、調理終了後提供まで30分以上を要する場合は次のア及びイによること。
ア 温かい状態で提供される食品については、調理終了後速やかに保温食缶等に
移し保存すること。この場合、食缶等へ移し替えた時刻を記録すること。
イ その他の食品については、調理終了後提供まで10℃以下で保存すること。
この場合、保冷設備への搬入時刻、保冷設備内温度及び保冷設備からの搬出時
刻を記録すること。
③ 配送過程においては保冷又は保温設備のある運搬車を用いるなど、10℃以下又は65℃以上の適切な温度管理を行い配送し、配送時刻の記録を行うこと。
また、65℃以上で提供される食品以外の食品については、保冷設備への搬入
時刻及び保冷設備内温度の記録を行うこと。
④ 共同調理施設等で調理された食品を受け入れ、提供する施設においても、温かい状態で提供される食品以外の食品であって、提供まで30分以上を要する場合は提供まで10℃以下で保存すること。この場合、保冷設備への搬入時刻、保冷設備内温度及び保冷設備からの搬出時刻を記録すること。
(4) 調理後の食品は、調理終了後から2時間以内に喫食することが望ましい。

大量調理施設衛生管理マニュアルより

長いですね。

これを簡単に書きますと、以下の通り。

4.原材料及び調理済み食品の温度管理

(1)原材料は、冷蔵庫に記録して保管!

(2)下処理に時間をかけるな!速やかに!

(3)喫食までに時間があるものは10度以下65度以上で保管!

①20度~50度の間は、危険!冷却機で10度以下!又は、65度以上で保存!

②調理後30分以内提供は、調理終了時刻を記録。30分以上の場合、ア及びイ!

ア、調理後速やかに、保温食缶等に移し替える!時刻を記録!

イ、その他の食品は、調理終了後10度以下で保存!

③配送は10度以下65度以上で行いましょう!配送時刻を記録!

④どのような場合でも、提供まで30分以上を要する場合は、10度以下で保存!

(4)調理終了から2時間以内の喫食を推奨!

大量調理施設衛生管理マニュアルで大事なのは、食品保存の温度帯です。20度~50度という食中毒菌が増殖する温度帯での保存はリスクでしかありませんし、どの大量調理の現場でも同じことが言えます。

危険な管理を止めましょう!って、大量調理施設衛生管理マニュアルは言っています。

すぐに提供できる学校給食や病院給食、社員食堂などではこのマニュアルどうり出来るはずです。配達がないからです。

配達がない場合は、このマニュアルどうりできるはずですが、問題は、弁当屋(産業給食)です。

半分ぐらいしか大量調理施設衛生管理マニュアルに乗っ取ってできません。

理由はハッキリしていて、配達があるからです。

遠くのお客様に届けようと思うと、それだけ時間はかかり食中毒の危険性も増えます。

配達がある大量調理の仕事には、大量調理施設衛生管理マニュアルができないんですよね。

保健所の指導!喫食時間までに弁当屋が出来ること!

だからと言って、大量調理施設衛生管理マニュアルを無視して、弁当作りをしてはいけません。それは、保健所が許しません。

結局、弁当屋が出来ない事は、「調理後の食品は、調理終了後から2時間以内に喫食することが望ましい。」です。

これは、たぶんクリアすることは、ビジネスモデル上できないし、保健所もそれは理解しています。

ですので保健所は、弁当屋(産業給食)に対して次の事を守るように指導を行います。

保健所の指導
調理終了後、一気に冷却して10度以下にする
冷却したおかずは冷蔵庫保管
(冷蔵庫の温度10度以下)盛付け場の温度管理(室温20度以下)
調理終了後、時間記録。盛付け時間記録
配送の時間記録
調理後喫食までの時間の短縮の努力をすること
配送車の温度管理(10度以下)

2時間以上経っても、食べても大丈夫な状態にしましょうねってことです。

これらの指導内容は、弁当屋(産業給食)でも出来ます。

以上の記述は、「温度管理」と「喫食までの時間管理」についてですが、保健所の指導はその他にもあり、「食品衛生で出来ることはすべてやりましょう」と言うスタンスで指導されます。

ですので、保健所は持ち込まないということを徹底を指導されます。

食中毒対策である「食中毒菌を持ち込まない」事を守れば、食中毒菌さえ食品につかなければ食中毒が増殖することもありません。

持ち込まないということが弁当屋にとって最大の防御となります。

調理の時間記録を取ることの大切さ

調理終了時間の記録は、とても大事な資料になってきます。

お分かりの通り、食中毒などの事例が発生した場合、調理終了時間の記録は提出できる資料になり、最終的には自分たちの仕事の正当性を言える記録となってきます。

記録する内容は、「調理終了時間」「調理終了時の食品温度」「冷却後の食品温度」です。

「時間」と「温度」です。

食品温度で大事なのが、1ヶ所だけで計測するのではなく、数か所計測する必要性があります。

1万食作っている大量調理の場合、最初の1個目と最後の10,000個目で、同じ温度が正しい温度です。

しかし、記録を最初の1個だけしかとっていない場合、「最後のは大丈夫?」っていう話になります。安全ではないと判断されても文句は言えません。

ですので、数回に分けけて記録する必要があるし、食品温度を計るように指導した方が、経営者側も安心して仕事を任すことができます。

まずは、温度と時間のチェックリストを作りましょう!

温度チェックと時間管理のチェックリストの作成がまず最初にするべきことです。

どんな風に作ったらいいかわからなければ、厚生労働省が出している「大量調理施設衛生管理マニュアル」の最後の方に表の例が書いてあります。

もちろん、そのまま使ってもいいようにできていますので、一度見た方がいいです。

大量調理施設衛生管理マニュアル

調理を行う従業員には最初負担になるかもしれませんが、「自分たちを守る資料作りの為やっていく」という言い方が一番話しやすいかと思います。

是非、取り組んでみてください。

 

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