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弁当屋で儲けるなら、原価計算の考え方を決めよう!

弁当屋の原価って、儲けるならどれぐらい原価(材料費)が適正なのかな・・・?

こんな疑問を持ったことありませんか?

この疑問に応える為に、今回の記事では弁当屋の基本「原価計算」について書いていきます。

以下が、この記事で書いてあることです。

この記事に主に書いてあること

・弁当の原価率!儲ける弁当屋はどうするのか
・圧倒的に儲ける弁当屋の原価率について
・儲ける弁当屋の紹介
・弁当屋ごとの原価率の理由を考察
・弁当屋の原価計算の考え方
・古い弁当屋の原価計算の現状を見る

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弁当屋の原価率!儲ける弁当屋はどうしてる?

弁当屋の原価率は、35%から45%の間が基本的です。

10%の開きがあるのは、各弁当屋のやり方があるからです。安売り専門なら原価高くなるし、高級志向の弁当なら原価は安くなります。

なので、35%~45%の間が基本的な路線と言えます。

一応書いておきますが、弁当屋の原価率の出し方は、

原価率=材料費÷売上高×100

です。

例として、弁当の材料200円で仕入れて、500円で販売した場合

200円÷500円×100=40%

「じゃぁ儲ける弁当屋になるにはどっちがいいんだ?」

って言われるなら、もちろん、低い方の原価率35%に決まっています。

しかしながら、原価率45%でやっている弁当屋もたくさんいるんですよね。

なんで、儲けにくい45%の原価率でやっている弁当屋があるのか・・・

原価率45%でやる弁当屋にもそれなりの理由があると思います。

・原価高騰の波にのまれて、原価が上がっている。
・お客様の為に弁当を安く売って、他店と圧倒的な違いをつける。

この様な理由が見えてきたりします。

圧倒的な違いを見せつける為には、安く売って大量生産する方法が一番手っ取り早い方法でもあります。

ただ、弁当屋で難しいのは原価率を下げる事。弁当屋の原価率35%は非常に努力がいる数字で、一生懸命考えないとできない。

逆に、原価率45%の弁当は、常に売り続けていないといけないので、経営的には難しいかもしれないです。

何が正しいのか変わらなくなってしまいますよね。

どこかのコンサルタントは

包材込みで弁当の原価率を35%以内のビジネスモデルをしなくてはいけない

とか言っていました。確かにそうなんですが、ビジネスモデルの例ぐらい教えてほしいものです。

結果が35%で、プロセスはどうなんだ?って話です。どんな弁当を販売するかによって、弁当の原価率は大きく変わってくるのに結果だけ「35%!」って言われると正直困ります。

ですので、まずは分かりやすいように、原価率35%の弁当屋の例を持ってきました。

まずは、儲ける為にも、圧倒的な原価率をたたき出している弁当屋を知ってもらいたいです。

圧倒的に弁当で儲けるなら原価率35%

弁当屋で圧倒的に儲けるなら、原価率35%に抑えて弁当を販売するのが基本形ですので、紹介していこうと思います。

上記のコンサルタントも「原価率35%に抑えるビジネスモデル」と言っているのも理想的に儲ける為です。

ここで声を大にして言わなければいけないことがあります。

それは、「全国の儲けている弁当屋は、試行錯誤をして原価率を下げる弁当ビジネスを開発している」ってことです。

まずは、原価率35%の弁当屋について知ることから始めていきましょう。

ほっともっと


ほっともっとは、典型的な原価率が低い店舗型の弁当屋で、お客様の来店より購買が発生します。

お客様が来なかった場合、売上は0円ですが、信頼を掴めば儲ける事が出来る弁当屋のビジネスモデルです。

ほっともっとは有名で名前も売れて売るのでお客様との信頼はバッチリ!

値段設定も高く原価率が極めて低い弁当屋ビジネスモデルだと言えます。

販売価格帯が高いので原価率を大きく下げる要因となっています。どの弁当を見ても、設定値段は高いです。

しかし、弁当の材料をのぞいてみると おや、そんなに材料費を使っているようには見えない。

けど、安いだけの食材を使っているわけでもなく、それなりの食材を使用している。

販売価格が高いこともあり、どの弁当も原価率35%ぐらいで収まっていると言えます。いや、もっと低いかもしれない。

ほっともっとが高い値段を設定できる要因は、2つ。

温かい弁当美味しいメニュー

この二つが原価率を下げる要因となっているのは間違いありません。

ほっともっとの場合、調理してから食べるまでに、時間がかからないので、温かいまま提供ができるわけです。

弁当屋にとって温かい弁当を出せることは、付加価値になり高く販売できる要因になるわけです。

ほっともっとのデメリットを上げるとするならば、大量生産には向かない弁当屋ということ。

弁当の生産に限度があるということです。

オーダーが入ってからの調理になりますので、受注生産型です。

受注生産型の弁当屋は大量に作れないのがネックになるので、売上の上限は決まってきます。

しかし、この問題は、多店舗展開という方法で解決できます。

1店舗成功させたら、2店舗目からは同じことをするだけ。そうやって、売上を作っていくのが、ほっともっとの戦略です。

食宅便



「食宅便」は、日清医療食品が提供している冷凍弁当です。

販売対象は、高齢者向けで、買い物に行くのが辛い、調理がもう作れない、という高齢者のニーズに合わせて作っている弁当です。

こちらの弁当も原価率は35%以下で作られています。いや、もっと低い可能性あります。食宅便のビジネスモデルを説明すると、長くなるので箇条書きにします。

✅高齢者向けの弁当の為、量がいらない。原価率が下がる。

✅お弁当を冷凍にする為、弁当の生産を計画的にできる。人件費削減。

✅発送が、ヤマトのクール便。1週間分を一気にお届けする。人件費削減。

✅弁当は管理栄養士により徹底管理。メニューに配慮がある。売上アップ。

✅凄いと思うのは、冷凍しても美味しい弁当

食宅便のすごいのが冷凍技術です。大量の弁当を盛り付けてから、冷凍してお届けするという、発想の転換が儲けの秘訣と言えます。弁当を冷凍にすることにより、計画的に弁当を作ることが出来る為、人件費のコントロールがしやすいのも、ビジネスモデルとして素晴らしいところだと言えます。

しかも、高齢者向けの弁当は、食べる量が少ないので、材料費を抑えることができます。しかも、売値もそれなりの値段で販売されていますので、35%の材料費に抑えることができるんです。

食宅便について「食宅便」に学べ!高齢者弁当、今の時代は冷凍!凍らす弁当最強説!という記事も書いてますので、是非読んでください。

やわらかダイニング



やわらか宅配食は、歯がないお年寄りの為の食事を提供している弁当屋です。特殊な弁当で、普通の弁当のようには作れないのが特徴。

よって、参入障壁が高い弁当屋とも言えます。

こちらの弁当屋の原価率は、35%を下回っている可能性も。このような、柔らかい弁当は作るのに技術がいるんです。私も、ソフト食を作っていた経験があるのでわかるんですが、やわらかい食事は、簡単には、おいしく作れません。

一度作れてしまったら、後は儲ける道に進むのみです。先ほども言いましたが、やわらかい食事への参入は難しい為、誰もやりたがりません。

こういう弁当は、介護経験がある方がやるのがおススメと感じます。お年寄りの気持ちが理解しなければできませんので、そういう職業の経験がある方に向いている弁当屋だとも言えます。

興味があるなら、一度食べてみてください。原価率が低いのもうなずけます。

弁当の原価計算の考え方

弁当屋の原価の考え方は、最終的にどれぐらい儲けたいかを考える事です。

1日に5000円の利益を作りたい場合、どうするかを考えるわけです。

500円の弁当を1日/100食販売した時、1日の売上は5万円。材料費を抜きにして、家賃や人件費や水道代など経費があるわけで、まず計算していきます。備品代など経費は他にも掛かるかとは思いますが、今回は説明ですので省きます。

売上/1日   50000円

人件費/1日  15000円

家賃/1日    5000円

水道光熱費   1000円

儲け/1日   29000円

材料費以外の儲けは29000円です。5000円の儲けが今回の狙いですので、29000円-5000円=21000円です。21000円の材料でやればいいという計算が成り立つわけです。

ちなみに21000円は、1日の売上の42%(材料費)の割合となります。

これが、基本的な原価の決め方です。すべての経費を考えてから弁当の値段を決めるべきでしょう。もちろん、売上をもっと上げて経費を削減すれば、安く販売することも可能です。

では、次に弁当1個でも見ていきましょう。

弁当の原価を計算するとき、1個の弁当と睨めっこをします。例えば、この写真の弁当の場合、原価はどれぐらいでしょうか。

ざくっと、器を入れて、200円弱ってところでしょうか。この弁当を、560円で販売すれば、約35%の原価率となります。だったら、これを560円でずーっと販売し続ければ、35%で終わるよねって思いますよね?

これが、弁当屋の落とし穴なんです。きっと、この弁当を560円で売り続けても原価率35%で終わらないでしょう。37%いや、もっと高くなる可能性もあります。

なぜ、原価率が高くなるのか・・・一個ずつ弁当を見て計算をしているのに、着地が違う。不思議ですよね?

簡単に言うと、歩留まりです。すべて買った原料が使えるわけではないです。余る食材、使えない食材、そういうものまで買っているわけで、すべて買った原料の値段分を弁当の中に入れれるわけではないわけです。

それに、弁当が売り余った場合、余った弁当はロスになります。ロスも原価率上昇させる要因になります。ですので、材料費は不安定になりやすいと考えた方がいいです。

正確に材料費つかむことは、経験と勘とデータが必要です。

意識して数字をみて研究をするしか、数字を見ることが出来ないので、着地を35%に正確にやろうと思うなら、正確な発注と正確な予測をするしか方法はないでしょう。

弁当の原価計算の考え方は、全体の売上金額と経費から考えて原価を決める事が大事です。そして、一つ一つの弁当を見て計算をして、正確な数字を作れるようにコントロールする状況を作り出すことが大事です。すべては数字を研究するってことですね。

原価計算の考え方は、弁当屋ごとに細かく経費から計算して科学的に売値や販売数量を考える必要性があると言うわけです。

弁当屋によって違う原価率

弁当の原価率は、どれぐらいなんですか?

っという質問をよく受けます。なので私はいつもだいたい、「35%~45%の間かなぁ」って、ごまかした言い方をします。

適当なことは言っていませんが正確な答えではありません。弁当屋ごとに原価率は違う為、この質問には答えにくいって言うのが本音です。冒頭でも言いましたが、弁当屋が原価率35%のビジネスモデルを作る時、相当な努力が必要です。無駄のない仕入れ、無駄のない販売、魅力的な商品、どれを考えても努力が必要。そういう努力が出来る弁当屋は、原価率35%にもなるし儲ける事が出来ます。

しかし、いいアイディアもなく、単に値下げしてお客様を獲得していく場合、あっという間に原価率は上昇。薄利多売でしか利益が取れない状態に陥るでしょう。

そうなると後は苦しいです。売って売って売りまくらないと商売が成り立たないわけですから、休む暇もありません。原価率が35%の理由は、「賢明な努力とナイスなアイディア」と言えるでしょう。

逆に、45%の理由を考えると・・・もっと考えて販売すれ儲けることが出来るのにと思うばかりです。

値段が安くなる「ニーズ」と値段が高くなる「ウォンツ」

値段が安くなる原因の一つに、ニーズとウォンツの考え方があります。

ニーズは、必要な物のこと

ウォンツは、欲しい物のこと

ここで問題です。どちらが高く売れるでしょうか?答えは、簡単。ウォンツです。

欲しい物は高く売れて、必要な物は高く売れません。ニーズのように生きていく為に必要なものは、安く買いたい。けど、自分が欲しいものは高くても買う。普段使うトイレットペーパーはどこよりも安く買いたくなるけど、限定のブランドバックはお金を出して買いたくなるのと一緒です。ニーズは、値段を安くするしか差別化が出来ない為、価格競争になりますが、ウォンツは、欲しい人は多少値段が高くても買います。

弁当も一緒です。

普段会社で必要な弁当はどこよりも安く買いたい。けど、電車の旅では、限定の弁当を手に入れたい。そういう心理が人間にはあります。弁当屋も、安く販売できるお客様ばかり集めるのではなく、難しいかもしれないが、欲しいと感じれる弁当を作るべき。そうすれば、弁当も高く売れ、原価率は下がります。

古参の弁当屋の現状

弁当屋の現状は、原価計算の考え方によって未来が変わります。

特に古参の弁当屋は、今までやってきた弁当ビジネスモデルをたぶん変えるのは大変だと感じます。

だから、新規参入の弁当屋にもこういう時代についていけると言うのは利点ではあります。古参の弁当屋にはパワーで負けてはしまいますが、分野をちょっとずらせば、競争に巻き込まれることもありません。

薄利多売をする古参の産業給食

古参の産業給食は、薄利多売を専門分野にしている弁当屋でしょう。原価率も45%と高くやっている弁当屋もチラホラいます。

東京にある玉子屋さんという弁当屋さんの記事を書いたので参考になるかと思うので玉子屋の驚愕のビジネスモデル!成功の理由はコレだ!の記事を一度読んでみてください。たぶん、原価45%の世界観が分かるかと思います。

確かに、普通のお弁当屋が38%のところ45%も使ったら、ボリュームが一気に増えるから、お客様は喜ぶでしょうけど、管理も販売も製造もかなりの高度なノウハウが必要となります。

それに、産業給食の現状を見ているとお客様の取り合いばかりしています。薄利多売がどこまで続けれるのか・・・体力勝負になってきます。

やはり新規参入のお弁当屋さんはこういう古参の弁当屋と競争をしてはいけません。もっと他の儲ける弁当の道はあります。それを探すこともとっても大事です。

儲けを出す原価率の低い古参の弁当屋

古参の弁当屋でも未だに原価率を低く保てて儲けている弁当屋もいます。特に以下の二つの弁当屋の業態は確立されていると言えます。

✅幼稚園用弁当屋

✅催事専用弁当屋

幼稚園の弁当屋、値段は安いです。売値でどうだろ、350円とかで販売されていますが、食べる量が成人の人よりも圧倒的に少ないので、材料費を下げることができます。ですので、原価率は低く保つことが出来ます。

しかも、幼稚園に通っている子供たちが対象なので、幼稚園1個営業で取れればあっという間に商売が成り立ちます。

催事専用弁当屋は、値段を高く設定することができます。要するに、「特別な時の弁当」です。3000円、5000円、10,000円など買ってくれるお客様ももちろん存在します。売値を高く設定できるので、仕入れも高い商品も使えるし、原価率も抑えることができます。

大事なのは、売れるかどうかです。

催事専用の弁当屋は、毎日リピートっていうわけにはいきません。コンスタントに売れる弁当でないということです。ですので、売り先を考える必要性はあります。

番外編、私の場合の原価率

私は原価率を38%に設定しています。

結論から申しますと、最終利益を12%確保したいからです。

ザックリ言うと、こんな感じです。

材料費  38%

人件費  30%

経費   20%

営業利益 12%

多少のバランスの増減はありますが、基本形はこんな感じです。営業利益を、12%確保したい。その想いから、38%と決めてやっています。

もちろん、最初は市場調査を行って、「これぐらいだなぁ」って試算してやり始めました。そこからデータを作っていき、今では「こうしたい!」って想いを乗せて原価率を決定しています。

そんな感じでやってます。

原価計算の考え方で、新規参入は楽になる!

という事で、今回は弁当の原価の考え方を決める記事を書いていきました。新規参入の弁当屋にとっては原価計算は大事な要素になってきますので、是非、かかる経費から材料費を決めてほしいかと思います。

単純に、「この値段で売りたい!」っていう気持ちもわかりますが、最終利益から考える事も必要です。

もし、新規参入の弁当屋や飲食店をやる場合はアントレnetで飲食店の情報を集めるのも良い手だと私は思います。

勉強になりますよ。「飲食店のデータ」やら「原価」などを知る資料を送ってくれるところも多々あるので参考になります。

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