弁当屋が、もし手袋なしで作業を行っていたら皆さんどう思いますか?
食べる側の人たちは、手袋をしないで作業をしている姿を見て、「ちょっと不潔」って思うはずです。
もちろん、調理側も、手袋の必要性が浸透しつつあります。
弁当屋にとって、素手で調理を行うことは食中毒のリスクが高まります。
弁当屋が作る料理は、食べるまでに時間が2時間以上ある為、素手で食品を触ると菌数が増殖する恐れがあるからです。
厚生労働省が定めるガイドライン「大量調理施設衛生マニュアル」で、手袋について以下のように書いてある。
調理従事者等(食品の盛付け・配膳等、食品に接触する可能性のある者及び臨時職員を含む。以下同じ。)は、次に定める場合には、必ず流水・石けんによる手洗いによりしっかりと 2 回(その他の時には丁寧に1回)手指の洗浄及び消毒を行うこと。なお、使い捨て手袋を使用する場合にも、原則として次に定める場合に交換を行うこと。
① 作業開始前及び用便後
② 汚染作業区域から非汚染作業区域に移動する場合
③ 食品に直接触れる作業にあたる直前
④ 生の食肉類、魚介類、卵殻等微生物の汚染源となるおそれのある食品等に触れた後、他の食品や器具等に触れる場合
⑤ 配膳の前大量調理施設衛生管理マニュアルより
大量調理施設衛生管理マニュアルでも、このように手袋について記載されているますが、この表現だと義務ではないって捉えられかねない書き方をしています。
「手袋を使う場合・・・」ですからね。
しかし、保健所の立ち入りの指導でも、手袋については、時間をとって説明と使い方を教えてくれます。
要するに、手袋は弁当屋では必要だということです。
今回の記事では、以下の事を書いていきます。
この記事に書いてあること
・手袋の必要性
・手袋を使うタイミングとルール
・手袋の選び方
目次
大量調理施設管理マニュアルと手袋の必要性
正しい手洗いをすることにより、大腸菌群等の雑菌を殺菌することは可能ですが、果たしてそれだけで大丈夫でしょうか?
実は、手洗いを行った後でも、雑菌が付く可能性があるんです。
手洗い後、雑菌が付くポイント
✅スイッチやノブなど、手で操作するところ触る時
✅仕入れ食材等を触る時
手洗いをしたからと言って、安心できるわけではありません。
しかも、弁当屋の場合、作ってから食べるまでに2時間以上かかります。
他の飲食と違うところは、この「食べるまでの時間」で、食べるまでに菌数が増えるポイントがあるってことです。
ですので、弁当屋はより一層の衛生管理が必要だと言えます。
その為に、食品を盛り付ける時は必ず手袋が必要だし、納品作業や加工作業時なども手袋が必要なのは理解できます。
とにかく、食中毒菌を付けたら危険なのが弁当屋なんです。
もちろん、食中毒菌がいない作業場を確立することも大事ですが、100%持ち込まない事が出来るかと言われると、私は出来ないと言えます。
人間の目には見えないものですし、もしかしたら、人間の体内に食中毒菌がいるかもしれない。
そうなると、どこに危険があるかわからないです。
ですので、最大限の予防をするためにも、「手袋」は必要だと言えます。
ただ、手袋をしているだけでは、完全に食中毒から防いでくれるわけではありません。
手袋を使う人たちの、知識やモラルも大事で、会社側のルール作りも必要です。
次に、手袋を使うタイミングとルールについて書いていきます。
手袋をするタイミングと手袋の必要性
大量調理施設衛生管理マニュアルには、手袋交換を行うタイミングを以下のように書いています。
⭕大量調理施設衛生管理マニュアルの手袋について
✅作業開始前及び用便後
✅汚染作業区域から非汚染作業区域に移動する場合
✅食品に直接触れる作業にあたる直前
✅生の食肉類、魚介類、卵殻等微生物の汚染源となるおそれのある食品等に触れた後、他の食品や器具等に触れる場合
✅配膳の前
大量調理施設衛生管理マニュアルの書き方だと、いつ手袋を装着をするのか明確には書いていない所があります。
ですので、私の方で手袋をするタイミングとルールを書いてみると以下の通りです。
⭕手袋をするタイミング
✅食材の納品時、食材を触る時
✅食材の下処理をするとき(食材ごとに交換)
✅食材を加工するとき(調理中)
✅食品を盛り付ける時
✅調理器具を洗浄殺菌するとき
✅厨房を清掃するとき
✅配膳を行う前
⭕手袋をするルール
✅調理場から離れ時は脱ぐ、戻ってきた後は手洗いの後、手袋装着。
✅トイレに行く際は、手袋を脱いで入り、必ず手を洗った後、手袋装着。
✅違う食品を触る時は手袋を変える。(肉団子から漬物を同じ手袋不可)
✅原料を触った手袋は必ず捨てる。
✅清掃の為使った手袋で、調理に関わらない。
✅手袋をしている時に、衣服やマスクを触らない。
手袋をするタイムングは、調理のすべての工程で必要だと感じます。
作業と作業の間では、必ず手袋を代えるようなルールが必要で、会社側の取り組みも非常に大切になってきます。
菌は目には見えませんので、危険はどこに潜んでいるかわからないので、手袋を頻繁に変えることで防ぐことができます。
それと、手袋は2種類そろえることをおススメします。
作業用の手袋と盛り付け用の手袋です。
それは、次の項目で説明しながら実際の手袋を見ていきましょう。
生成管理マニュアル的な手袋の選び方
手袋は2種類用意した方がいいでしょう。
作業用と盛付け用の2種類です。
選び方のポイントを解説していきます。
作業用の手袋の選び方
作業用の手袋の選びのポイントはココ!
✅素材はゴムで、手にピッタリくるもの
✅装着しやすい
✅手荒れをしないもの(パウダー入りなど)
作業用は、手にぴったりくる素材のゴム手袋がいいでしょう。
もちろん、いろんな種類があるので、どれがいいか悩んでしまいます。
基本的に私の選ぶ基準は、「手荒れをしない、装着しやすい手袋」を選びます。
手に合わない場合、手荒れの原因にもなりますので、いろんな手袋を試すことが大事です。
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盛付け用の手袋の選び方
盛付け用の手袋の選びのポイントはココ!
✅素材はポリエチレン
✅手袋には青など色が付いているものを選ぶ
✅たくさん使うので値段の安い物(衛生基準は満たしたもの)
盛り付け用の手袋の素材は、ポリエチレンがいいです。安いし、手に装着しやすいから、ポリはおすすめです。
ポリ素材で盛付けを行う時に、手袋の破片が入ってしまう事故が少なからずある為、手袋に色が付いているものを選ぶことが大事です。
青などの色は、食品にあまりない色なので混入の際は見つけやすいです。
透明だと、破片が入っていても目にはとまりにくいですので、食品の盛付けには向きません。
大事なのは、色によって異物混入対策をしているということです。
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手袋を選んでみよう!
以上のように、弁当屋にとって手袋選びはとっても大事。
選び方のポイントをまとめてみると、
✅使いやすい手袋(装着しやすいもの)
✅作業用と盛付け用の2種類を用意する
✅たくさん使うので安い物
✅異物混入対策の為に色が付いた手袋
この4点が手袋選びは大事ですので、考えて購入をしていきましょう。
是非、手袋をして食中毒予防をしていきましょう。