弁当屋をやっていると、異物混入でクレームになった体験ぐらいはあるはず!
「異物混入なんて今までないですよ~」っていう弁当屋があるなら、そのお弁当屋さんは、ものすごく運がいいか、完璧なオペレーションを作り上げて規律を完璧にしているか、嘘をついてるかです。
たぶん、あるはずです。
恥ずかしい話ですが、私は結構な数の異物を混入させていて、クレーム処理を幾度となく行った経験があります。
ダメなんですけどね、けっこう謝りました。
そんな体験談を今回の記事では公開していこうかと(笑)
他では書いていないことですので、失敗談は参考になるかと思います。
もちろん、弁当屋をやるならクレーム0を目指す必要はあります。
だって、謝りたくないし。
私も異物混入ゼロを目指した結果、今では少しずつクレームも減っていき、1年に数回あるかないかぐらいのところまで来ました。
努力するば、なくなっていくなぁって実感しています。
異物混入を減らす方法なんかも書いていこうかと思います。
異物混入への対応で大事な3つ事
異物混入の対策をいろいろ書いておきます
目次
弁当屋の異物混入事例(私の場合)
異物混入の私の事例はコレ!
・ビニール袋の破片が、連続して入った事例!
・虫(青虫)の混入!冷凍カットインゲンの中に隠れていた事例(焦る)!
・木片が入る!調べてみるとヘラの一部だった事例!
・ハサミが混入!従業員からの恨みを買う!これが一番危険です。
順番に書いていきます↓
長い髪の毛の混入が続いた時の話
弁当屋の異物混入で一番多いのが、髪の毛の混入です。
髪の毛の混入は、対策をきちんと行えば防げますが、適当にやっていると防げないです。
しかも、対策の効果が出るまで混入は続きます。
私も髪の毛の混入が続いた時があり、「このままでは、お客様がいなくなってしまう!」って悩んだ時期がありました。
このままでは、お客様がなくなってしまう!、危機感を覚えた私は、従業員全員でミーティングをその時行いました。
ミーティングで決まったことは以下の事です。
➁髪の毛落下防止の為の使い捨て帽子を内側にかぶる!
➂コロコロを2度やる!
➃エアーシャワーの設置!
➄鏡の設置!
➅身だしなみチェックをする(チェック表あり)!
➆調理の帽子を髪の毛全体が隠れるものに変更。(髪の毛が見えない状態)
➇長袖で作業。
ここまでやったら、髪の毛の異物混入は激減しました。
けど、最初はうまくいかなかったですよ。
長袖は暑いからまくり上げちゃうし、コロコロは時間がないから1回だけとか勝手にやり始めるし。
なので大事なのは、従業員さん達とのコミュニケーション!
だって、コロコロ2回やるとか、だるいじゃないですか。
そこを、従業員さんたちにやってもらうには、日々の接し方だなぁって感じます。
従業員さんの協力がないと出来ないのも異物混入対策だなと私は思うし、どれだけ会社を大切に思ってくれる心を育てるのか、そこが鍵。
一つ言えることはコロコロは最強のアイテムです。
調理場への入室の仕方の一例
一応、調理場に入る手順を載せておきます。
良いとか悪いとかはあるかと思いますが、例として参考にしてください。
②インナー帽子をかぶる
③調理帽をかぶる
④衣服をチェック
⑤コロコロを全身行う
⑥手洗い
⑦エアーシャワーを行う
⑧コロコロを入室前にもう一度行う
⑨チェック表にチェックを行う
ざっと、入室までに10分はかかります。
コロコロは、市販で販売されているもので十分対応できます。
髪の毛混入対策で一番威力を発揮してくれるのが、コロコロです。
コロコロは、入室までに2回行うと効果は高いです。
気になる時はコロコロを行える環境作りも必要ですので、コロコロの設置場所は考えてやっていきましょう。
エアーシャワーも市販で売っているものを設置しました。(自分で)
けっこういろんな種類が販売されている為、場所さえあれば自分で設置できます。
エアーシャワーは業者を通して買うものではないというのが私の意見です。
私も、楽天で購入をした覚えがあるので、一度いろいろショップをのぞいてみてください。
「インナー帽子」と「調理帽子」を同時使用!長袖の調理服を完備する。
「髪の毛落下防止の為の使い捨てインナー」はこのようなものです。
このふわっとした帽子をかぶることで、髪の毛落下は防止できます。
もちろん、これをかぶった上に、調理帽をかぶります。
|
2重で帽子をかぶることで、抜け毛の落下は防げます。
しかし、デメリットは暑さです。
調理帽も頭全体を覆うものですので、夏場は本当に暑いです。
このため、空調管理の改善も必要でした。
それと、半袖だと腕の毛が落下する可能性もありますので、長袖で作業を行うことをしました。
夏場は長袖で作業を行うのはやはり、汗をかくので辛い所ですが、異物混入の視点からすれば、正しい選択だと私は考えます。
もちろん、これも全員で決めたことでしたので、調理場の従業員はやってくれました。
結果、髪の毛混入は激減、今ではほとんどなくなりましたし、クレーム対応を行う時に、これだけやっていますってことも自信を持って言えるようになりました。髪の毛混入をきっかけにこれだけの事を改善を行いました。
ビニール袋の破片が入る事件!しかも連発!
ビニール袋の破片のクレームは、社内のルールが守られていない時に連続して起こりやすいです。
まじで、お客様に平謝りしかない。
っていうか、どうやって謝ればいいかがわからなくなるぐらいお客様に追い詰められましたね。
ビジールの破片だけは、マジで思い出したくない。しかも連発。
原因はハッキリしていて、ビニールの袋の破片は、作業の流れから混入します。
なぜそれが断言できるかと言いますと、ビニール袋の破片は、完全な証拠として残るりますので、どの段階で入るかわかるんです。
それを調べていくと、食材を出す段階で混入が起こっていることが分かります。
というか、どの人が入れたかもわかってきます。
弁当屋は、食材を仕入れて調理するわけですが、食材はだいたいビニールの袋に包まれていることが多いです。
袋から出すのにはカットするしかないので、ハサミや専用の刃物で切るわけですが、その時に、ビニールの破片が混入が起こるわけです。
この原因が分かったので、対策を行わないといけません。
ミーティングを行った結果、以下の事を決めました。
➁袋から出した時に、もう一度破片混入がないか確認する。
➂下処理室の明かりを明るくする。
一番効果的だったのが、袋を全部カットしないで取り出す方法です。
切った先が、まだ本体とくっついている状態なので、混入することはありません。
もちろん、袋から出した際は目視で確認を行うし、目視がしやすいように、明かりを増やして見えやすくしました。
だいたい、年齢が長けた人が仕込みを行う場面が多かったため、目視も明るくしてあげないと見えにくいんですよね。
というか、ビニール破片を入れていた人が、お爺さんだったので、見えなかったんです。
だから、配置換えももちろんしました。それも効果が大きいかも。
従業員に合った方法を考えてあげるのも大切です。
虫(青虫)の混入!インゲンの中に隠れていた事例!
虫の混入は最悪だったな。
本当に、最悪。
ずいぶんと昔の話ですが、虫(青虫)が入った事例は、私も一度経験しましたが、やはりお客様に申し訳ないって気持ちが一番最初に来ました。
どう考えても気持ち悪いですからね。ひたすら、お客様には謝りました。
その時は、すぐに保健所に通報を行い、保健所と一緒になって原因を探り対策を行いました。
調べていくと、その虫は原料の中にいた可能性が高いことがわかってきました。
その時に使っていたのが、冷凍食材の「いんげんカット業務用」でした。
いんげんのお浸しの中に混入していたんですが、いんげんと同じサイズ、同じ色なのでパッと目視しても分かりません。
原料に交じって入ってしまった可能性が高いという結果になり、いんげんの取引を中止し、弁当屋からインゲン料理がなくなりました。
それから、10年以上が経ち最近やっとインゲン料理を出すようになりましたが、やっぱり原料を見ていると「こわいなぁ」ってジーっと見てしまいます。
木片が入る!調べてみるとヘラの一部だった!
お客様からの電話で、
「木の破片が入ってるんだけど」という事例が発生!
混入物を見ないと判断できないとおもい、お客様に謝罪しながら混入した木片を入手しました。
でも、木片なんて入るところないんだけどなぁっと思いながら調理場を歩いていると、ハッとしました。
なんと、調理用のヘラが木製だったんです。
ヘラを見てみると、ヘラの先が減っているのが確認した私は、すぐに調理場にあるヘラを木製から樹脂製に変更しました。
|
保健所の指導だと、調理場内にあるすべての木製の物はなくした方がいいという指導を後日されました。
やはり、異物混入の可能性を調理場内に持ち込んでいてはいけないってことです。
それから、もの置台など調理場にある木製出来たものは排除を行いました。
もちろん、それ以降は木片は入っていません。
木で出来た調理器具は使わないようにしましょう。
ハサミが混入!従業員からの恨みを買う!
私が弁当屋をやり始めた2年目ぐらいの話で、10以上前の話ですですが、これは事件でした。
お客様からの電話で、「ハサミが混入しているんだけど」って、言われて意味が分からず頭が真っ白に。
「すぐ行きます!」としか言いようがなく、現物を見る必要がありました。
現物を見てみると、やはり調理現場で使っているハサミでした。
しっかりと、弁当の上に乗っかていて、証拠写真もばっちり撮られていました。
幸い誠意をもって対処したため、大事にはならなかったが、会社が転覆する大きな事件でした。
警察にも行こうと思いましたが、先に、保健所に相談を行いました。
保健所から言われたのは、「悪意がある事例」ってことでした。
どっかで、恨みを買ってしまった可能性もあり、自分自身を反省。
誰が混入させたってことは特定もできず、反省するばかり。
結論は闇の中ですが、見方が敵になる事も十分あり得る事です。
普段の接し方や言葉使いを気を付けるべきです。
従業員との良い関係を築けなかった私がいけなかったと猛反省をして、社内環境を良くするために会話も大切にしました。
それからは、こんなことは起こらなくなりましたが、2度と起こってほしくない事例です。
これは、どの食品業でも起こりうることです。
人の手で起こす混入ほど怖いものはありませんので、防ぐためには会社と従業員の良い関係を作ることが大事です。
それと、やはり怖いので、監視カメラを付けました。
時代は変化して個人的に監視カメラを設置できる時代になりました。
お手軽な値段で、買えます。
ちなみに私のおすすめはPTZカメラ。
ちょっと値段はしますが、PTZカメラはパソコンで画角変更もズームも出来るので「こいつ怪しいなぁ」って言う人を監視することが出来ます。
なにより、監視カメラは抑止力になるので食品工場には必要かなぁって思っています。
それと、ちょっと人より監視カメラに詳しいので言わせてもらうと、監視カメラを付ける業者選びは必ず見積もりを数社とりましょう。出来れば3社は欲しい。
理由を簡単に言うと監視カメラの値段の付け方なんて適当だからです。
値段の安いカメラを高く売りつけるところもあれば、必要ない機能を搭載したカメラを売られたり。
例えば、夜間使わないのに赤外線とか付けたり、画角変えないのに、PTZにしたり。他にもいろいろ。
工場だからと言って穴あけまくってそのまま放置されたり。無駄にPF菅使われたり。もういろいろ。
なので、強調しますが必ず防犯カメラ 一括.jpなどのサイトで複数社から見積もりをとりましょう。
監視カメラについては↓で色々書いてあるので読んでみてください。
異物混入をした時、お客様対応で大事な3つの事
・クレーム対応は目を見て話すことが大事
・適当に誤ってはダメ
・きちんと整理してから謝る事が大事
クレーム処理で大事なのは、初期対応です。
これを間違うと大ごとになっていきます。
まず、クレームはたいていの場合が電話で行われます。
その時に、電話に出た人の対応でお客様の感情の度合いは変わってくるので、私が会社にいる場合は、電話を変わってもらいます。
私がいない場合は、「全部話を聞いてください。その後に私から電話するように言ってください」と従業員全員に伝えてあります。
そして、私は電話口の人の話をだいたい聞いた後に、開口一番「すぐにそちらに向かいます、宜しくお願い致します。」という言葉で電話を切ります。
これが大事です。
電話では、お客様が言っていることがすべてなので、会って相手の目を見て話さないと感情は収まりません。
電話でいくら私の意見を言ったとしても、聞いて納得してくれる人は一人もいません。
ですので、会って話す必要があるんです。
そこで、逃げたい気持ちも出てきますが、逃げてはダメです。向かわないと。
会って話せば、たいていの人は感情が収まります。
ただお客様が完全に怒っている場合、怒りを収める為に大事なのが「すべて聞くこと」と「自分の顔の表情」です。
こちらが信頼できる相手なのかをお客様は見ています。
すべて話を聞くことは辛抱が必要で、その間は自分の意見を言ってはいけません。
一度全部言ってもらうことで、お客様を楽にしてあげるんです。
それから、自分意見を言わないと、私の意見を入れるスペースもお客様側にないわけですから、まずは話を全部聞きます。
それと、お客様のお話を聞く時に大事なのが、「自分の顔の表情」です。
恐れた表情は、絶対にいけません。自分を守ってるな!って思われてしまうからもっと怒ってやろう!って思われます。
そうではなく、お客様の味方になるぐらいの勢いの顔をしていればいいんです。
「そうですか!それはいけないですよね!」などと言いながら、聞いていればいいんです。
そして、全部心の中にある感情を出してもらってから、「私の意見はですね・・・」って話していくわけです。
話す順番は相手から、そして順番が回ってきたときに、正論を話せばいいんです。
そして、謝るタイミングやポイントも大事です。
最初からこちらが悪いって決めつけてクレームを出してくる場合もありますが、全部こちらの責任でないこともあります。
例えば、「味が薄い!どうにかしろ!」とか。
なので、きちんと話を聞いて、こちらの責任がある場合は、謝罪を行います。これがまずポイントです。
こちらに、責任がない場合謝る必要はないんです。お客様の勘違いってこともありますので、そこはきちっと判別を行いましょう。
そして、謝るタイミングは、話を聞いた後です。
話を聞く前に謝られても、「何に対して謝りたいの?」って思われるだけです。
タイミングと謝るポイントは外してはいけない。
弁当屋が実施している異物混入への対策!
弁当屋が実施している異物混入対策をまとめると以下の通りです。
⭕髪の毛異物対策
✅帽子をかぶる前に髪の毛をといてもらう。
✅髪の毛落下防止の為の使い捨て帽子を内側にかぶる。
✅コロコロを2度やる。
✅エアーシャワーの設置。
✅鏡の設置。身だしなみチェックをする。(チェック表あり)
✅調理の帽子を髪の毛全体が隠れるものに変更。(髪の毛が見えない状態)
✅長袖で作業。
⭕ビニール袋の破片異物混入対策
✅袋をカットするとき、全部カットしない。
✅袋から出した時に、もう一度破片混入がないか確認する。
✅下処理室の明かりを明るくする。
⭕虫(青虫)の混入!異物対策!
✅異物が混入した材料は買わない。
✅調理場内に虫が入らない状況を作る(ゴキブリ駆除など定期的に行う)
⭕木片が異物混入対策
✅調理場から木製で出来たものを完全排除
⭕ハサミなど理解を超える異物混入対策
✅従業員との良い関係性を作る
✅監視カメラで抑止効果
異物混入を無くしていこう!
どうでしたか?
異物混入は、お客様に嫌な想いをさせるし、自分も嫌な想いをしないといけないです。
嫌ですよね、そんなの。
従業員さんたちの協力を得ながら、安全に進めていくことが大事です。
この記事のどこかに書いたんですが、「会社を大切に思う心を育てる」ということが大事です。
コミュニケーション力を高めて、異物混入に対する危機管理意識を高めていきましょう。
改善こそ未来へと繋がっていきます。
クレームを受けたら、「会社が良くなる」って思ってやるしかないですよ。