大量調理の盛り付けは、ほとんど「さい箸」を使いません。
さい箸を使う代わりに人の手を使います。もちろん、専用の手袋をして盛り付けを行います。
しかし、この大量調理の盛り付けは、一筋縄にはいきません。
こんな問題に悩まされる調理担当者も多いはずです。
盛り付けで悩む問題
✅手に取る分量が一定じゃない。
✅器に盛る時、器の外におかずがはみ出てしまう。
✅長時間の盛り付けの為、最初と最後の量が同じではない。
問題の内容を見てみると、解決策もあるので一個ずつお話していきます。
それと、弁当屋の盛り付けの話もしていきます。
弁当屋のサイトなので一応です。
この記事で分かる事
・問題ごとの盛り付けのコツ
・弁当屋の盛り付けで一番効率的な方法
手に取る分量を一定にするコツ
手に取る分量が同じでないと、「あっちのおかずの方が多いぞ!」ってお客様に指摘される原因となってしまいます。
ですので、手に取る分量は同じ分量でなければいけません。
もちろん、コロッケなどの固形物なら手に取って簡単に盛り付けができます。
しかし、ほうれん草の和え物とか、野菜炒めなど、固形物でない食品は入れるグラム数を決めて一定の量を盛り付ける必要があります。
その為、キッチンスケールでグラム数を計り、グラム数をキッチリと手に取れるように盛付け前に練習するのが効果的です。
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もちろん、キッチンスケールでグラム数を計ったら目で見て手に覚えさえる事が出来る人もいますが、出来ない人は訓練するしかありません。
それと、同じグラム数で盛付けできない理由は、仕込み段階にも問題がある可能性もあります。
カット野菜などは、カットの大きさが一定でない場合、盛付けの際に非常に困ることがあります。
もし、同じグラム数で盛付けをしてほしいなら、仕込み段階でカットの大きさを気を付ける必要性があるということです。
それと、盛り付けをしやすくするなら、小さめにカットすることがいいでしょう。
大きいと手に取りにくいので、小さい方カットの方が盛り付けはしやすいです。
こちらの記事を読むと、仕込みの事がわかりますよ。
器に盛る時、器の外におかずをはみ出させないコツ
これもよくある問題で、おかずが器の場外にはみ出て盛り付けをしてしまう人は必ずいます。
基本的に、はみ出す問題は人の気質によるものです。
要するに丁寧にできるかどうかということです。
おかずをはみ出して盛付けする多くの人は、片手だけで盛り付けを行う人です。
両手を使うとかなり改善されます。
両手を使うと言っても、両手で食品を持つわけではありません。
利き腕の手で、おかずを掴み、反対の手は器の形に合わせて弧を書くように手を添えて、盛り付けをします。
こうすることにより、片手で盛付けするよりはるかに上手に盛付けることが出来ます。
はみ出してしまう部分は、弧を書いた反対の手がガードしてくれます。
一度お試しあれ。
長時間の盛り付けの為、最初と最後の量が同じ
長時間盛り付けるということは、何千食とか何万食という量を作っている場合がほとんどです。
その場合、盛り付ける量が、最初と最後で違ってくることが多々あります。
その理由は、全体の量を把握していないからです。
でも、ホテルパンに野菜炒めを1万食分作りました!って言われてもよくわかりませんよね。
じゃーホテルパンにどれだけの量が入っていて、そのホテルパンが何枚分あるんだって話になります。
そこでようやく全体像が分かるはずです。
そうなったらあとは、ホテルパンを切るだけです。
例えばホテルパンがこんな風にあるとします。
このホテルパンに100人前入っていて、野菜炒めのホテルパンが10枚あるとします。
そうすると、1000人前出来るわけですが、1枚のホテルパンから100人前取れればいいんですよね?
って言うことは、四等分にすると、こうなるわけです。
4等分にすると、25人前になり、盛り付ける配分も理解しやすくなります。
全体像を掴んだら、後は分かりやすい分量に切っていくだけ。
そうすることにより、盛り付けの分量の方向性は見えてきます。
弁当屋の盛り付けで一番効率的な方法
弁当屋の盛り付けは、コンベアーを使うことが一番効率がいいです。
コンベアーでの盛り付けはこんな感じです。
みなさん、かなりの手練ればかりの盛付け場で活気があっていいですね。
このように、弁当箱が流れてくる方が、盛り付けは圧倒的に楽です。
弁当箱を置いて、人間が動く場合、材料を持って動くことになる為、とても効率的ではありません。
食品は重いですし、そんなに大量に持ち運べるわけでもありません。
しかも、動画の盛付け作業は1分間に40個ペース以上のペースで作っているので、1時間だと2400食作れる計算になります。
器を置いて盛り付けるより、圧倒的に早いのがコンベアーによる盛付け作業です。
産業給食や、かなり大きな病院などは、コンベアーによる作業が当然のように行われています。
調理場台の上で作るのが手狭になったら、コンベアー購入は考えた方がいいかもしれません。
8人ぐらいいれば、コンベアーでの作業は出来てしまうので、作業員が8人ぐらいになったら考え時かも。
まずは、やってみよう!
今回の記事では、大量調理での盛り付けを上手にするコツを書いていきました。
まとめると、
✅手に取る分量が一定を一定にする為、スケールで計る。そして記憶。
✅器の外にはみ出さないように、片手を添える。
✅長時間盛り付けの場合は、ホテルパンなどを区切って分量を量る
って感じです。
しかしながら、先ほどのYouTubeの動画ですと、盛り付けラインの人たちは手練ればかりなので、上記のコツを一つもやっていません。
ということは、やはり盛付けは経験が大切ってことかもしれません。