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【大量調理の特徴】調理工程から考え方の違いまでを解説

大量調理と家庭料理は、工程が同じではないのをご存知ですか?

同じように作ると調理を失敗したりするし、最悪の場合、食中毒の原因になったりします。

食中毒はただ事ではない!

ですので、調理工程は学んでから大量調理を行うことをおススメします。

 

大量調理の最大の特徴は、大勢の人たちが同じ料理を食べることで、何か工程で失敗したら、例えば、焦げ付かしたりしたら、他の同じ料理を食べているお客様にも迷惑をかけることになります。

それに、衛生管理でも、食中毒など事故が起こった場合、被害は広範囲になると考えられます。

ですので、大量料理は、これら(食中毒など)を考えて、工程を決める必要があります。

調理をしたら、温度を計って記録して加熱をキッチリを行わないといけないし、加熱した後に、冷却をしないといけないなど、料理の味にも影響がでる調理工程を行わないといけません。

これも、厚生労働省が出しているガイドラインに「大量調理施設衛生管理マニュアル」というものがある為です。

この大量調理施設衛生管理マニュアルが適用される規模の給食施設は以下の通りで、国が衛生管理を厳しく取り締まっています。

同一メニューを1回300食以上又は1日750食以上を提供す
る調理施設に適用する。

大量調理施設衛生管理マニュアルより

大量調理は、「大量調理施設衛生管理マニュアル」に従って調理を進める必要性がある為、普通の一般の調理とは少し違う工程を踏むことが多いです。

もちろん、大量生産する弁当屋さんも大量調理と位置づけられ、保健所からの指導を受けており、大量生産についてたくさんの知識を得ています。

今回の記事では、大量調理の特徴を弁当屋目線で書いていきます。

この記事で分かる事

・大量調理の調理と仕込みの特徴

・大量調理の全体的な話(ザックリ)

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大量調理の特徴、仕込みが違う

大量調理の仕込みの特徴は以下の通りです。

大量調理の仕込みの特徴はコレ

✅仕込みの量が多い

✅食材の管理の徹底(消毒殺菌・保存方法など)

✅調理工程前に全部切る

大量調理は、仕込みがその後の調理工程を決めると言っても過言ではありません。

仕込みを間違えると、調理工程に支障をきたし、調理が前に進まなくなり調理当日に大変なことになります。

ですので、切り方、保存方法、消毒方法は事前に決めておく必要があります。

大きなザルに切って冷蔵庫に置いておくのか、それとも水を切って棚に保存するのか、それだけでも調理のスピードは変わってきます。

先ほどから、調理時間を気にしているような話し方を私はしていますが、調理というのは食べる人の時間に合わせて作ってあげる仕事です。

時間に合わせる以上、調理工程にミスは許されません。

ミス=時間に遅れるということですから、細心の注意を払いながら仕込みも行う必要があります。

もちろん、衛生管理も大事で、消毒・殺菌も材料には行っていかなければいけなく、怠ると食中毒のリスクも高まり、実際事故が起こった場合大変な事態になってしまいます。

大量調理で使う野菜の洗浄・殺菌方法!面倒くさい人の為の方法も記載!

 

それと、仕込みでの一般家庭との大きな違いは、調理前に全部切るということです。

普通、ほうれん草の和え物なんかを作る時は、茹でた後にほうれん草を切りますが、大量調理は、ほうれん草を切ってから茹でます。

切ってから茹でることにより、まな板を使用することがなく、より安全な工程で調理を行うことが出来るよう工夫した結果なんです。

こういう衛生管理上、作業工程が一般家庭とは違う場合が多々あります。

次の章では、大量調理と一般家庭料理との違いをお伝えします。

大量調理の特徴、家庭料理と違う

一般家庭料理と大量調理との違いを書いてみます。

一般家庭料理と大量調理との違い

✅火が通っているか中心温度で確認する

✅中心温度を確認したら、記録をする(全部)

✅(煮物)調味料が大量にいる。が、節約する方法もある。

✅(炒め物)野菜から出る水分量が多いので、計算して作る

✅(揚げ物)油の温度に注意。一気に作ると中心温度が上がらない。

✅(焼き物)オーブンの温度調節を均一になるように工夫がいる。

火が通っているか中心温度で確認する

すべての調理したものに対して、中心温度計で85℃、90秒以上温度が上がっているか確認する必要がある。

これは、大量調理施設衛生管理マニュアルにも書いてあることですので、読んでほしいですが、食中毒対策で行わないといけないんです。

これが一般家庭と違うところです。ご家庭の場合、温度は見た目で判断がほとんど。

ご家庭ではそれで大丈夫なんですが、大量調理ではそうはいきません。

食べる人がたくさんいる以上、一つの工程で食集毒を出すと、大勢の人が食中毒になる危険性がある為、中心温度で菌を殺菌出来たかを温度で確認するんです。

ですので、中心温度計が必要です。

こちらに詳しく書いてあるので読んでください。

【大量調理施設衛生管理マニュアル】中心温度について!生の現場の声

中心温度を確認したら、記録をする(全部)

中心温度、3か所を85℃、90秒以上計ったら、記録が大切です。

記録することにより、安全に調理を行っていた資料となる為、事故が起こった場合必要になってきます。

一般家庭では、そんな記録をいちいちつけていたら前に進みません。

これも、食の安全を守る為に行動の一つと言えるので、大量調理の現場の人はやりますが、やはり面倒くさい作業ではあります。

(煮物)調味料が大量にいる。が、節約する方法もある

回転釜で煮物をすると、大量の調味料がいります。

その量は、一般家庭で使っている量の数倍です。

ご家庭では、胡椒少々でしょうが、大量調理だと胡椒大量になってきます。

特に、煮物を作る時はしょうゆが大量に必要ですので、初期段階の煮汁をできるだけ少なく煮るのが節約のコツです。

煮物でも出来るだけ水分は少なく、ヘラで回転釜を回しながら煮ると調味料も少なくて済みます。

それと、煮物をしていると野菜の中から水分が大量に出てきます。

それらも計算に入れながら調理をするのがコツですが、経験が必要なため見て覚えるしか方法はありません。

(炒め物)野菜から出る水分量が多いので、計算して作る

炒め物を作る時も、野菜の水分量は計算して作る必要があります。

大量に炒めれば炒めるほど、水分は出てきます。

材料によっては、材料の半分ぐらいまで野菜の水分でヒタヒタになります。

炒め物をする場合は、それらの水分を捨てながら炒めていくのがコツとなります。

中華鍋のように振ることによって水分を飛ばせないのが回転釜の弱点でも愛ります。

ご家庭のフライパンでも野菜炒めを作れば多少水分は出ると思います。

その水分が大量になったとき、ビックリする量の水分です。

(揚げ物)油の温度に注意。一気に作ると中心温度が上がらない

一般家庭と大量調理の違いは、揚げ物でもあります。

一般家庭の場合、揚げ物をするときはフライパンか専用のフライヤーを使うので、一気に油の温度が落ちるという感覚はないと思います。

大量調理の場合、一気に揚げ物をフライヤーの中に投入していくと、180℃ある温度が150℃ぐらいまで一気に下がったりします。

そうなると、中心温度の上がり方も違ってきます。

詳しくは、以下に大量調理の揚げ物に付いて書いてありますので読んでください。

大量調理の揚げ物を上手にやるポイント!弁当屋が言うコツ!

(焼き物)オーブンの温度調節を均一になるように工夫がいる

ご家庭だと少量ですので、オーブン内の温度を厳密に管理する必要はありませんが、大量調理ですと、中心温度85℃90秒以上を確認する必要があります。

もし、温度が足りなかった場合、もう一度オーブンを閉めて温度を上げないといけないんですが、それがけっこう時間がかかる(オーブンが古いかも)

ですので、焼き上がる時間を確認して、温度を均一になるようにしていかないといけません。

要するに、焼くための時間を材料によって見極める必要があるということです。

ご家庭だと、記録の必要がありませんが、大量調理ですと焼き物も温度を記録する必要があり、温度チェックは欠かせない作業の一つとなってきます。

大量調理の特徴、大勢で作る

大量調理の特徴の一つとして、大勢でメニューを作り上げていきます。

揚げ物担当は揚げ物、炒め物は炒め物、一人で全部やろうと思ったら、ものすごい時間が必要なため、ご飯の時間に間に合わなくなります。

大量調理では、作ってから2時間以内に食べてほしいというルールがあり、一人ではこのルールが守れませんので、メニューによって作業を分担して作る必要があります。

要するに、大量調理にはチームワークが必要なんです。

チームワークがない調理場は、いい料理はつくれないので、コミュニケーション能力も必要なんです。

これを教えてくれる教科書なんてないので、このサイトならではの情報です。

これは本当の話なのでコミュニケーション能力がない人は大量調理には向いていません。

それでも大量調理をしたい場合は、750食ギリギリのところで働くことをおススメします。

750食なら、仕込み次第では1人でなんとかできるかもしれません。

大量調理の特徴、衛生管理が厳しい

大量調理の現場で、一番大事なのが衛生管理です。

先ほどから大量調理施設衛生管理マニュアルのお話をしていると思いますが、このマニュアルは保健所のバイブルです。

保健所は、大量調理施設衛生管理マニュアルをもとに指導を行い徹底的に管理を指導します。

その指導は、「おいおい、無理だよ」ってものから「これはやれる!」っていうものまでさまざま。

私も指導をされてきた側の人間ですので、それなりに経験値があります。

それを記事にしたものがいくつかあるので見ておいてください。

大量調理施設衛生管理マニュアル「前日調理」について記載がない理由

【大量調理施設衛生管理マニュアル】ふきんの衛生を保つ消毒・殺菌方法

【大量調理施設衛生管理マニュアル】中心温度について!生の現場の声

大量調理施設衛生管理マニュアルには書いてない!爪ブラシの選び方!

これも、大量調理の特徴の一つと言えます。

大量調理は、ロジックの塊

以上のように、大量調理は組み立てがすべてです。

調理の工程、仕事運び、チームワーク、仕込み

すべての工程が頭の中で流れるように行われないと、出来ません。

もちろん、私が知っている大量調理を仕事としている人間は、頭の中はロジック(論理)出来ており、ロジック感覚で作業を行っています。

(ロジック感覚って今作った言葉です。)

そんな、ロジックの塊が大量調理の特徴です。(着地)

 

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