「儲けたかったら人を切れ」って言う人いますが、それは、半分本当で半分は嘘です。
確かに、遊んでいる人間を切るのは間違いではない。しかし、必要以上に人件費を下げると儲からなくなります。
おかしな話ですよね?
儲けようとして人を切り、儲けられなくなる。
弁当業界の七不思議ではありませんが、弁当業界ではありがちなパターンなので気を付けたいところです。
今回の記事では、弁当屋が人件費を下げた場合どうなるかを書いていきます。
是非最後まで読んでください。
この記事で分かる事
・人件費削減による支障
・弁当業界の人件費率
目次
無理な人件費削減がダメな2つの理由
人件費率を下げるとダメな理由が2個ほどあります。それをクリアできるなら人件費削減はいいと思います。
しかし、クリアできないまま人件費削減を行うと、後からしっぺ返しを食らう可能性があります。
人件費を下げるとダメな理由
・人件費を下げることにより、作業を端折り始め、良い商品が提供できなくなる。
・自分も作業をする時間が増える為、パフォーマンスを上げる時間がとれなくなる。
人件費を下げることにより、作業を端折り始め、良い商品が提供できなくなる
人間って不思議な生き物で、人手が少なくなると補おうって必死になるんですよね。
その為に、大事な作業を端折り始めたり、雑な品質管理になってしまうんです。
お客さんは、気が付かないものですか?って感じてしまいますが、そりゃ、もちろん気が付きます。
あれ、これこの前と違うって。特にお弁当は、作業を雑にすればするほどお弁当にしかっかりと出てきてしまいます。
人間って言うのは素晴らしいもので、人と人が知恵を出し合うことで、ものすごい成果を出すときがあります。
1+1=2だけではなく、3にも、4にも、10にもなります。
もちろん、人件費を削減すると人件費率は下がります。
儲けも出るでしょう。
しかし。
人件費率を下げると、話し合いをする時間も無くなるし、作業を効率化しないといけなくなります。
そうなると、だいたい1+1=2で終わってしまいます。
本当は人間の知恵って言うのは、そんなところで終わるものではありません。
先ほども言いましたが、1+1=が3にもなるし、4にもなる。
要するに、
効果性を重視した方がいい
ということです。
効率性より効果性を上げていくことにより、より価値がある商品、より価値があるコンテンツを作ることができるわけです。
人間って言うのは、そうやって価値を上げてきた生き物です。
そこを考えないで、推し進める効率化には何も生まれない。
人は効率ではなく、効果で考えるものです。
逆を考えれば効果を考えての効率化ならOKというわけです。
ポイント効率化より効果性の方が将来的に明るい結果が待っている
自分も作業をする時間が増える為、パフォーマンスを上げる時間がとれなくなる
これは、私の実体験でもあります。
私の場合は、人件費削減する為ではなく、人の募集をしたのにこなかったから、勝手に人件費率が下がってしまったときに経験をしました。
人件費率はその時は、23%台までいきました。
その時は、儲かったんじゃないんですか?
もちろん、その瞬間は儲かりました。
なんせ、自分自身が効率化して動いていますから、最高の収益をたたき出すことができました。
しかし、「考える時間」ができなくなりました。
でも、これがすごく重要で。
お弁当屋さんの場合、新商品を開発して、写真撮ってチラシ作って、食べてもらってお客様に喜んでもらう。
こういう、将来的な結果を残すパフォーマンスができなくなってきます。
なんせ、今を乗り切るので精一杯になってしまいますからね。
そうなると、判断能力もおかしくなってきます。
もっと発展的に考えるべきところを、「疲れるからやめよ」って思えてくるんです。
これでは近い未来に、お客様からそっぽを向かれてしまいます。
常に、お客様に意識を向けるべきなんですよね。
それができなくなった時、衰退は始まります。
ポイント自分が動くと、良い原因を置くことができなくなる。よって結果が悪くなる。
飲食業の平均人件費率
飲食業の平均人件費率は、約33%
※他の業種になると、平均人件費率は違いますのでご注意ください
人件費の中には、賃金・賞与・雑給・法定福利費・厚生費・退職金、販売管理費中の従業員給与・事務員給与・役員報酬・従業員賞与・厚生費等、考えられる人に使うお金が含まれます。
人件費率が上がるということは、それだけ人件費を多く使っているということです。
逆に、人件費率が下がるということは、人件費を抑えているということになります。
売上が100万円の時、人件費率が33%ですので、
330,000円が人件費ということになります。
ポイント弁当屋の人件費率は、33%ぐらい。
弁当屋の人件費率を考察
売上を月/100万円と仮定します。
人件費率を33%に抑えたい時、支払う人件費は33万円です。
それをもとに、試算しました。
下の表を見てください。
売上 | 100万円 |
材料費(38%) | 38万円 |
人件費(33%) | 33万円 |
経費(25%) | 25万円 |
営業利益 | 4万円 |
こんな感じですかね。
材料費が38%にした理由は、弁当屋で儲けるなら、原価計算の考え方を決めよう!に書いてあるので読んでください。
経費は、25%以下、25万円以内で経費を抑えると仮定しました。
そうなると、人件費を330,000円自分一人で稼いだ時、儲けは4万円。
多少会社に利益は残せますね。
けど、ここでもう一つ驚くべき事実を話しておかないといけない。
それは、
1人で、弁当屋をやるのは大変だが、
2人で、弁当屋をやると楽になる。
という事実。
作業性、金銭的にもこの事は言える理由がある。
理由は
1. 料理は、同じものを100個作るのも、200個作るのも時間的に同じ
2. 1人で盛り付けるより、2人で盛り付けた方が、圧倒的に作業が早い
3. 2人で配食した場合の方が、早く配達ができる、広範囲に配達ができる
4. 2人で販売した方が、より多くのお客様の接客ができる
5. 経費は、売上に対して倍にはならない
などなど
上記の理由を踏まえて、200万円のバージョンの試算をしてみます。
売上 | 200万円 |
材料費(38%) | 76万円 |
人件費(31.5%) | 63万円 |
経費(22%) | 44万円 |
営業利益 | 17万円 |
どうですか?
上記の理由を加味して、人件費は削減されました。
経費も固定費は、売上に影響がないので自動的に下がります。
そうすると、利益が大きくなってくるのがわかる。
何が言いたいかと言いますと、
二人で倍売った方が、利益は残りやすいよってことです。
もちろん、平均単価や経費の内容にもよりますが、
1人で弁当屋をやるよりも、2人の方がより効率的に販売することができます。
効率化されることにより、人件費率は下がってくる。
この事実をまず知ってほしい。
もちろん、平均単価はそのままで売上を上げたときの話ではあるが、2人の方が単純計算は2倍なので圧倒的に販売能力は上がるでしょう。
そして、30%台前半の人件費率は、弁当屋の理想的だと考えられます。
それは、どの試算にも当てはめられる数字だということです。
弁当屋で200万円つくるのに、1日200食。
2人で200食なら、必ず出来ます。
ですので、理想的というのは、実践からも言えるからです。
ポイント一人よりも二人の方が効率的に販売が出来るようになる。
弁当屋の理想的な人件費率
弁当屋の理想的な人件費率を考えるとやはり、
30%台前半。
ということになります。
なので、私の理想を言えば人件費率30%!
これが、私の答え。
理由は、先ほどの試算した結果、やっぱり30%台前半だよねって思うところと
30%ならなんとかやれる数字だっていうことです。
理由も先ほど言った通り、バランスが取れるからです。
そうなると、基準は30%ぐらを基準にして考えるのが基本的な考えだと思います。
ポイント私は人件費率30%ぐらいだと思っている。
人件費率の結論
結論から申しますと、開業当初は
人件比率を30%前後を基準に考えるべきでしょう。
30%を仮定して、事業計画書を書いていけば、理想に近いものもできるはずです。
ちなみに、事業計画書の書き方についてはこちらの記事を読んでください。
弁当屋を開業したい!思うなら事業計画書を書こう!事業計画を書く3つのコツ!
きっと、事業計画書を書くのに役に立つと思います。