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弁当による食中毒に気を付けよう!弁当屋が考える施設設計と管理のポイント!

お弁当屋施設の設計・施工のポイントと注意点

お弁当屋の施設設計・施工では、床や壁面、排水溝などといった設備面の衛生管理が重要なポイントになります。

清潔で安全な施設は、お弁当の品質と信頼性を守る基盤です。

施工時から衛生面を意識した設計を行うことが、長期的なリスク軽減につながります。

ポイントはいくつかありますが、

  • 危なくない
  • 掃除しやすい
  • メンテナンスしやすい

基本はこの3つかなー。

それぞれの場所ごとでお伝えしていきます。

床 【建築仕様】

床を施工する前に、考えるポイントがあります。

「問題点」では、良く起こる問題です。

「あるべきの姿」では、本当はこうあるべきだっていうものを表にまとめました。

問題点あるべきの姿
①床の劣化による洗浄性の低下①平坦、平滑りで清掃しやすい床が望ましいです。
②水溜まりが発生。②勾配がないように施工してもらうことが必要です。
③スリップによる事故等③用途や洗浄性を考慮した床材を使う。

計画及び管理のポイント

①床材の種類は多様で、その選定も結構難しい。けど、ものすごく重要なところ。

どっかの工場で、つるつる滑る工場があって、歩くのも必死なところもありました。

とても仕事にならないので、信頼できる施工業者と使用目的と洗浄方法を話し合いをして床は決定するべきです。

②床と排水の間は、特に問題が発生しやすい。私が見た感じ破損が多いです。

ですので、問題が発生しない施工方法を業者さんと一緒に話し合って決めましょう。

③床の剥離や劣化は放置すると、どんどん拡大していきます。

破損が拡大する前の、初期段階で補修工事を行いましょう。

ちなみに、水で濡れていると施工が厳しいので、休みの日にやってもらいましょう。

④滑りにくい床の素材は、清掃しにくいです。

摩耗もするという欠点もあります。

施工業者とよく話し合い、サンプル等を見て考える必要があります。

⑤機械の重さに耐えられる床を見込んでの設計を行うようにしましょう。

⑥水洗いを想定して、防水加工してある床にしましょう。

腰壁 【建築仕様】

腰から下の壁は、けっこう問題が発生しやすい場所です。

問題点あるべき姿
①床面との間にカビや害虫の発生。①吸水性のない素材を、密着させて施工
②表面に傷や汚れ、カビ発生。②平滑で強度をもった資材を壁に使っている

計画及び管理のポイント

私もステンレスを張ったりして、ガードを行うんですが、どーしても素人の仕事だと隙間ができます。

隙間からカビや害虫が確実に発生するので、施工業者とよく話し合って素材を決めましょう。

腰壁はすべての場所に設置する必要はなく、水のはねが発生する部分を保護する必要がある場所に設置しましょう。

壁・天井 【建築仕様】

壁や天井は掃除がしにくいですが、カビや汚れが発生しやすい場所でもあります。

カビや汚れが発生したら掃除が必要です。

問題点

問題点あるべき姿
①汚れの付着・カビの発生①汚れやカビの発生しない素材を使用
②洗浄が困難②掃除がしやすいように平滑な素材を使用する

計画及び管理のポイント

①汚れ・結露が付着した場合、洗浄除去ができる素材を使用しましょう。

カビを放置してしまうと、菌糸が素材に入り除去ができなくなります。

②壁や天井に、配管や器具の固定は、錆を発生させ汚れを付着させる原因になります。

固定を行うなら、錆が発生しない素材を使用するか、固定をしないようにしましょう。

排水マス、排水側溝 【建築仕様】

問題点あるべき姿
①排水溝内に水溜まりが発生する①勾配を計算した設計と施工を行う流れる
②グレーチングが重くて溝内の洗浄困難②厨房用の軽いグレーチングを使用する
③排水マスの中が掃除ができない③マス部分は掃除の出来るものを使用しよう
④排水溝内からの害虫・ネズミの侵入④排水溝内は強度確保と密着性に注して施工してもらう
⑤排水管から臭気が発生してしまう⑤定期的な清掃が必要
⑥排水管の詰まり⑥マス内に網かごを設置

計画及び管理のポイント

①排水溝や排水マスの掃除は必須です。

掃除をしないと、上記なような問題が多発していきます。

そして、年末などに一気に掃除をしようとするととても大変です。

「好ましいのは毎日掃除」なので、毎日掃除ができる環境作りをしていきましょう。

その為にも、設計段階から掃除がしやすい作りを心がけることが必要です。

②排水溝や排水マスに、亀裂や破損、その他の問題が発生したとき、カビ・害虫が発生します。

早急に直すように施工業者に手はずをお願いしましょう。

窓・ドア・開口部・その他 【建築仕様】

問題点あるべき姿
①吊り戸のレールカバー、窓枠にほこり①毎日掃除が望ましい。できない場所は、傾斜をつける。
②窓を開けて網戸で作業は、害虫・ほこりの侵入②窓から直接外気を侵入をさせない

計画及び管理のポイント

①管理レベルが高い部屋は、窓無しが望ましい仕様です。

窓を開けての作業は、害虫やほこりの侵入をゆるすことになります。

ですので、空調システムを入れることが望ましい。

②ドアのノブは、みんなが触る場所です。

洗浄と殺菌が非常に重要になってきます。

1日に1回は、洗浄と殺菌を行いましょう。

電気設備

問題点本当の姿
①漏電事故が発生する。危険です。①水のかかるところに、コンセントや電気盤を設置しない。
②電気設備増設に対応できていない工場の作り。②将来の計画を見越して予備のブレーカーを付けておく
③配管上部のほこりが溜まる。③可能な限り配線は壁の中。水平配管は避ける。
④光が少ないと暗くて作業性が低下する。④適度な照度を計画する。

計画と管理のポイント

①作業内容や洗浄方法を十分理解した上で、法規制を順守して使用を決定することが大切です。

②計画に沿って、適正な電圧、電流の確保をしましょう。

③適切な照度の確保

部屋名称検収室保管庫加工室盛付け室洗浄室通路・その他
推奨照度(ルックス)500300500700500300

・照明は、逆富士型・飛散防止フィルム付きを設置しましょう。

(推奨は、埋め込みカバー付きの照明器具がいいです)

・盛付室の照度は、高く保ちましょう。異物混入があった場合、目視で発見しやすいです。

給排水衛生設備

問題点あるべき姿
①配管上のほこりがたまる。①できるだけ配管は壁の中。水平配管は避ける
②配管表面に結露発生する。②水・温水・蒸気等の配管は保温と適正なラッキング
③排水管の詰まり、漏れの発生する。③メンテナンス用の掃除口を配置。配管口径の適正設置
④ランニングコストが高い。④省エネ機器、システムの採用する。

計画及び管理のポイント

①手洗い用器具

給水栓は自動が好ましいです。蛇口は手で触れないものを採用しましょう。

水の出しっぱなしがないので節約にもなります。

蛇口も手で触れないので食中毒予防にもなります。

②洗浄用シンク

シンクは十分な大きさを有し、給水弁は目的に応じてホース付きシャワー式を採用しましょう。

できれば、床を掃除したいので、移動式のものが好ましいです。

③掃除用器具

必要性、汚れの種類、使用の目的に合わせて水洗い用や温水用洗浄を配置しましょう。

高圧の洗浄機は、広範囲に水が飛散するので、使用する場所を考得る必要があります。

排水処理設備

問題点あるべき姿
①処理後の水質が悪い。①早急な原因の特定が必要です。排水処理設備の点検が必要。
②悪臭発生による近隣からのクレーム。②行政からの改善命令が出るかのせいも。早急な改善を。
③メンテナンス費用が高い。③適切なメンテナンス計画を作りましょう。

計画及び管理のポイント

①排水処理設備の計画には放流規制値の把握と原水条件の把握が必要です。

設備を施工する前に調査を行って排水能力と処理方式を決定していきましょう。

②排水の知識を持ちましょう。

フライヤーの油だったり、オーブンの肉汁をそのまま流すと、ゴテゴテになります。

ランニングコストが高くなるだけなので、油をそのまま捨てない。

肉汁をそのまま捨てないなどの、作業理解と作業方法を確立していきましょう。

③放流先が下水か河川かで上乗せする規制の有無で処理方法、コストが変わってきます。

適正規模で計画を行わないと処理水質の悪化、メンテナンス負担増大、メンテナンス及びランニングコストが増加が起こります。

空調調和設備

問題点あるべき姿
①夏場の室温上昇により、衛生管理の悪化①空調と換気の適切な設定が必要
②じめじめして湿度が高い②湿度のコントロールが必要
③廃棄が悪く、湯気、熱気が充満する③適切な箇所に換気能力が必要。
④ドアが開きにくい。④静圧コントロールが必要。
⑤壁・天井に結露が発生する。⑤換気・防熱・除湿の結露対策をする。
⑥空調の風で、食品にほこりが入る。⑥気流のコントロールが必要。

計画及び管理のポイント

空調調和設備とは、目的に応じて空気の温度・湿度・気流・清浄度を制御することです。

各部屋の作業内容、設置機器、衛生管理レベルを理解して設計の計画をしましょう。

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