今回のお題は、弁当箱の大きさです。
お弁当屋さんの弁当箱っていうのは、通い箱です。
通い箱とは、配達用の弁当箱の事で、食べ終わった弁当箱は回収を行い洗浄して、また使います。
弁当屋ごとに、使っている弁当箱の大きさや形は違い個性や特性が出てきます。
弁当箱一つで、「○○弁当さんね」ってわかるぐらい、弁当屋の顔になる所です。
ですので、弁当屋の弁当箱選びはとっても大事。
私も弁当箱を選ぶときに、以下のように悩みました。
❌弁当箱選びの悩み❌
✅お弁当箱は、大きさって大きい方がいいのかなぁ・・・
✅弁当箱に、柄が入っていた方がいいのかなぁ・・・
✅升目は、多い方がいいのかなぁ・・・
✅弁当箱って何個買えばいいのかなぁ・・・
だいたい答えを書いておくと、
弁当箱の絵柄は、弁当屋の好みだと私は考えます。昔ながらの、赤一色でも弁当として成り立つし、赤い器の方が落ち着くっていうお客様もたくさんみえます。ですので、好みで大丈夫。
升目とは、弁当箱の中にある升が何個あるかで、おかずの数が決まります。原価コストとの兼ね合いもあるので、長くなるので今回の記事では書きません。(後日書きますね)
通い箱の場合、配達個数の3倍買いましょう。
今回は弁当箱の大きさについての悩みを解決するために書きます。
弁当箱を扱っている会社ごとに大きさはさまざまだし、多種多様。
しかも、新発売する器もどんどん加わるし、どうやって選べばいいか悩みます。
弁当箱によって盛り付けの手順も変ってくるし、製造段階でもどれが好ましいか悩むところです。
もっと言えば、お客様も器に関して評価の対象になってきます。好みでないと評価は下がります。
本当に悩みますよね・・・。
でも、一番大事なことは、ランニングコストとの関係性です。
弁当箱選びは、結果的にランニングコストの部分になってきますので、本当に大事で、もし器選びを間違えると大損をする恐れがありますのでご注意下さい。
この記事に書いてあること
・弁当箱の大きさとコストの関係
・私が推す小さい器のメリットとデメリット
・弁当箱選びを間違うと大損する理由(失敗談付き)
目次
弁当箱の大きさとコストの関係性
弁当箱大きさとコストっていうと、弁当箱を買う値段が高くなると勘違いしそうですが、ここでは違う話をします。
弁当箱の大きさによって、配達個数の上限が決まってくるっていう話です。
まず、弁当屋が配達するときに意識しないといけないのが、配達の車に何個弁当を乗せることが出来るのかっていうことです。
弁当箱を乗せる数によって、配達の車が1日に稼いでくれる金額の上限が決定します。
この上限の計算方法は、車の中に弁当箱を入れる通いのパンケース等を並べてみればわかります。
パンケース等を並べてみて、後は掛け算です。
パンケースの数 × パンケースの中に入っている弁当箱 = 配達できる上限
例
パンケースの数 20個 × 弁当箱の数 12個 = 240個
ここで大事なのが、変えられるところと変えられないところです。
配達できる上限を上げたい場合、パンケースの数は変えられません。
変えられるのは、パンケースの中に入っている弁当箱の数だけです。
要するに、小さいお弁当箱を使えば、パンケースの中に入る弁当の数は多くなります。
パンケース等の中に入っている弁当の数が多くなれば多くなるほど、配達できる弁当の数の上限は増えるということです。
ですので、ランニングコストが違ってくるということです。
1台当たりの配送個数が増えることにより、人件費、配送費、燃料代、その他もろもろ。
普段何気なく使う経費に影響が出てくるということです。
もし、パンケース等に8個入った物が、12個入ったらどうですか?
もっと小さい器を使って、24個入ったらどうですか?
8個×500円=4000円
12個×500円=6000円
24個×500円=12000円
パンケース等の中に入る数だけでこの違いです。
車に入る数は、もっと違ってくるのは言うまでもありません。
小さい器を使うことで、もっと運べるし、もっと売上を作れる。
これも、立派な弁当哲学です。
実はこれは、私も他社の弁当を見て発見したことでした。
「哲学もってるなぁ」っていう会社はやっぱり強いですよ。
小さいお弁当箱のメリット・デメリット
小さいお弁当箱には、メリットとデメリットがありますので、記載してます。
メリット
⭕車1台当たりの売上を底上げできる
⭕配達がしやすくなる
⭕弁当箱の保管場所が減る
デメリット
❌お客様から「器小さくない?」って言われる(見た目が小さい)
❌器が小さいので盛り付けに工夫がいる。
小さいお弁当箱のメリット
小さいお弁当箱の最大のメリットは、配送の上限の底上げが出来るということです。
これは、先ほど話したところなので、他の話をします。
弁当箱が小さくなることによって、弁当配達は圧倒的に楽になります。
特に、大量注文のお客様に対しては、パンケースごとで運べるので、パンケースの中に入っている数が多ければ多いほど、配達は楽になります。
注文が、100個とかだと、8個入りならパンケース13個分ですが、12個入りのパンケースなら9枚ほどで足りてしまいます。
この差は、配達員には大きな差で、パンケースが少ないほど楽に配達が出来てしまいます。
配送時間も限られていますし、なるべくパッと終わらせたいですから。
それに、洗浄後の弁当箱保管場所も場所と取りません。
これも、メリットでしょう。
弁当箱って意外と場所をとります。
数が多くなれば多くなるほど、どんどん場所がなくなり困ります。
小さいお弁当箱のデメリット
小さいお弁当箱の最大のデメリットは、お客様からの目線です。
お客様は、お弁当箱が小さくなるだけで、「量が減った」と言います。
本当は、中身は一緒の量なのに、弁当箱が小さくなるだけで減ったと言われます。
ですので、量についての告知は大事です。
「私の弁当屋は、弁当箱は小さくても○○○カロリーはあります」
「弁当箱が小さくても、8品入ってます!」
「弁当箱が小さくても、他社と変わらない量です」
など、お客様に訴える必要はあります。
私も器を変えた際にお客様からクレームをたくさんいただきました。
特に器を小さくしたことによって「量が少ない」というクレームは多く、お客様に説明するのに現物を持って行って入れ替えて説明したりしました。
その苦労はありますが、納得してもらえるところではありました。
それと、デメリットと言えるかわかりませんが、小さい通い箱の場合、密集しておかずを詰め込まないといけません。
弁当箱が小さいですから、重なり合うように詰め込みます。
これがまた盛付けの技術が必要で、最初は手間取ります。
慣れるまでに時間がかかるというところで、デメリットの中に入れさせていただきました。
弁当箱選びを間違うと大損する失敗談(私の)
ここで一つ、私の失敗談を。
私が弁当屋2年目ぐらいの時の話です。
私はある日、特注の弁当の注文を受け、なんと、1000円×1000個という大きな仕事でした。
私はやる気を出して、器選びをして、浮かれていました。
弁当屋の仕事で1回で100万円の仕事ってなかなかないですからね。
弁当の中身しか私は考えていませんでした。
しかし、抜けていたのは、運ぶ箱のことです。
私はパンケースに入れればいいと頭から考えておらず、特注の当日、問題が発生しました。
なんと、パンケースに弁当が6個しか入らないんです。
私は、12個はパンケースに入ると思っていたので、計算がいです。
この違いは、車に影響が出ました。
注文数1000個 ÷ 入り数6個 = 166枚
注文数1000個 ÷ 入り数12個 =84枚
全く違います。
大きな車で、2台車で行けばいいと思っていた私は、急遽人を手配して倍の車で配達した覚えがあります。
車の手配も大変だし、人の手配も大変です。
ですので、器選びをするときは、配送の事や利益の事を考えて選ぶことが大事だとそこで学びました。
器を選んでみよう!
今回、この記事では小さい方がいいよって話をしました。
しかし、やはり弁当屋ごとの判断はあると思うし、お客様の雰囲気も地域で違うと思いますので、一概に私の話が合っているとは思いません。
ただ、コストの所から・・・っていうと、やはり小さい方がいいよっていう話です。
一応、弁当屋の器を買える業者をピックアップしておきますね。
弁当屋は儲かってナンボの世界です。
その為には、弁当箱の試行錯誤は必須ですので、弁当箱を買う時はぜひ、利益の事や経費の事を考えて器選びを行うと、儲けの幅も広がっていけます。
あっ、それとお客様の事もちゃんと考えて選んでください。
一番大切なのは、お客様の支持です。
支持無くして、弁当屋がないのも確かです。