目次
利得最大の原理
人は自分の「得」になる行動を選択する
人間は、自分自身にとって「特」になるようなことがあれば、それを最大限得られるようにしたいと思うもの。
人によって、「得」を得たいと思う気持ちの大小はあるがが、「得たい」という気持ちが出てくるのは人の心理。
例えば、
お金を稼いで大金を持ちたい。
魅力ある会社に勤めたい。
結婚相手は、顔が整っていた方がいい。
こういう考えは、日本人共通、いや、世界共通のものだと言えます。
一方で、人間には「損」をしたくないという心理も持っています。
誰もが、お金をどぶに捨てるような行為を平気でする人はいませんよね。
物を盗られて喜ぶ人もいないし、好きな人を自分から「さよなら」ってふる人はなかなかいない。
「損」を最小限に抑える為にも、自分が得になるように行動を選択していきます。
この様な人間の心理を「利得最大の原理」と言います。
よって、お弁当屋さんも「利得最大減の原理」を考えた行動を起こすべきでしょう。
商売相手は人間ですからね。
お弁当を買いたいという要求は、「食欲」から始まります。
しかし、どこで買うかは、買う人が決める事。
買う人の食欲を最大限に得な状態にしてあげるのが弁当屋の儲かる秘訣とも言えます。
お客様が、弁当屋に求めている「得」とは?
お客様が弁当屋に求めるものを書き出していきます。
・美味しい食事
・薄味の塩分控えめの食事
・栄養バランスの取れた食事
・普段食べないような食事
・安い食事
・ちょっとリッチな食事
・太らない食事
・脂っこい弁当
・唐揚げしか入っていない弁当
などなど、書き出してみました。
でも、変だと思いませんか?
「美味しい弁当」を作りながら「薄味の塩分控えめの食事」ができるのでしょうか?
それに、「安い食事」を求める人と、「ちょっとリッチな食事」を求める人を同時に「得」にさせることもできるのか・・・。
悩んじゃいますよね。
答えは、できません!
この両者はまったく逆の事。
神様でもない限りできないでしょうね。
他に書き出したことでも、そうです。
すべてを叶えることなんて絶対できない。
むしろ、すべてを叶えていくと儲ける事が出来ない。
美味しいハンバーガー屋さんで、健康的な食事を売れないのがいい例です。
すべてをすることは絶対にできないのがよくわかります。
では、どうやってお客様に「得」を与え、尚且つ、自分が儲けられるのか・・・考察します。
お客様に満足させる「得」を与えるには?
お客様を最大限に満足させる「得」とは何ぞや・・・。
考えれば考えるほど、答えがいっぱいあります。
でも、実はどれもが正解で、不正解はない。
考えたことすべてがお客様の「得」になっているからです。
「美味しい食事」を提供しても、「脂っこい食事」を提供しても、その食事を欲しい!って思う人がいるならば、「得」ということになります。
買ってくれるのがその証拠。
リピーターがどうのこうのという話は二の次。
まず、買ってくれることが、お客様が得になったよって合図です。
それと、すべてはできないので、一つに集中する事が重要です。
上記でも書きましたが、美味しいハンバーガー屋さんで、健康的な食事は売れない。
どちらかなんです。
美味しいハンバーガー屋さんを作るか、健康的な食事を作るか。どちらかです。
なんでもかんでも、どれでもやってしまったら
「ここ何屋さん?」
って言う状態になってしまいます。
それに、やってる方も、「俺何作ってんだろ」って迷います。
それでは、お客様も「得」を得ることが少なくなるし、従業員も「得」を与えるようには思えないでしょう。
それに、差別化という言葉を聞いたことがあると思いますが、差別しなくても、どれかに特化していけば、差別化になります。
弁当屋を特化していくと、アイデンティティーとなっていきます。
うちの弁当屋は「これだ!」っていう「得」を作ることです。
これを作ることによって、お客様に想いが届きやすくなります。
想いが届くとお客様も「また買ってみよう」って気持ちになるでしょう。
弁当屋一つではお客様を満足させてあげられない事実
もちろん、お弁当屋さんに求められるものはたくさんあって、それを叶えてあげたいという正義感は必要です。
そういう想いがお客様に届いて買ってもらえることは多々ありますからね。
しかし、
お弁当屋さんはすべてを叶えてあげられるほど上手にはできない。
なので、たくさんのお弁当屋さんが必要なんです。
自分と違うお弁当屋さんがお客様の「得」を作ってくれて、お客様が「今日は脂っこい弁当でも買いたいなぁ」っていう時は、あっちのお店。
「今日はリッチな弁当」っていう時はこっちの弁当屋というように、住み分けをすることによってお客様を創造し「得」を作っていくんです。
よく、弁当屋はパイの奪い合いだから儲からないって話を聞きます。
ここのエリアは弁当屋があるから儲からないって。
でも、それは、違います。
同じような弁当屋を開業するからパイの奪い合いになるんです。
それに、いろんなものを置いてしまう弁当屋は、売店と同じ。
昔、近くの動物園にいろんなものが売っている売店があって。
アイスクリームもあって、お菓子もあって、弁当もあって、お土産もある。
いったい何屋さんかわからないが、昔はそれが通用した。
しかし、現在の動物園の売店を見てみると、全く違う。
なんとすべてが特化している。
アイスクリーム専門店。お土産専門店。食事専門店もある。
すべてのクオリティーは上がり、値段も上がっている。
もちろんお客様の満足度も上がっている。
だから、また売れる。
それに、専門店を増やすことによって動物園自体の満足度も上がっているし、お客様の数も増えている。
いいことだらけだ。
なので、本当に儲けたいなら、業界全体のパイを考えて「得」を作り出すことです。
弁当屋は最大限できる「得」を考えて与える
お客様の数は、創造できるものです。
その創造も自分のアイディア次第だし、特化することによってお客様を創造できます。
一番大事なのは、「自分が何をしたいか」だ。
弁当屋を開いて、お客様にどんなインパクトを与えたいかが重要です。
ただ、お金儲けをしたいから弁当屋を開くでは、何がしたいのかわからないお店になってしまう。
目的があって初めてお金儲けができるんです。
その為にも、自分の頭の中で、何を与えることができるのか考える事です。
どんな想像をして、どんなものを作ればお客様は喜び「得」となっていくのか。
想像力が試されるのは、開店前です。
是非とも、お客様の「得」をどんどん築いて行ってほしいです。
それが、お弁当屋業界のパイを増やすことになるからです。